新宿ドクター松井クリニック 院長の松井です。
当院は医療レーザー脱毛用の機器として
アレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、Nd-YAGレーザーを揃えています。
(ルートロニック社クラリティおよびルミナス社ライトシェア・デュエットです。また、まず脱毛用にはつかいませんがルートロニック社のIPL、ソラリも備えています。)
肌の状態、毛の質、生え方・流れ方などの状況によって使い分けることが可能ですが
通常時使用するメインのレーザーはダイオードレーザーであるライトシェア・デュエットです。
当院の長所、特徴として「細かく丁寧な照射」が挙げられますが
そのためにはスピーディーな照射が可能な機器が望ましい。
そういった点で非常に重宝するのが大口径スポットのハンドピースを備えたライトシェア・デュエットとなるわけです。
(細かい部分をレーザー照射するための小口径のハンドピースも備えており、2つのハンドピースを持っているのでデュエット = 2人で歌う の名前がついているのです。)
当院ではそのスピーディーな照射を可能にする機器で、なおかつじっくりと時間をかけて通常の施設で行われる以上の精密さで全身脱毛のレーザー照射を行っています。
また、ライトシェア・デュエットを長く、多く使用していることもあり
様々な状況に合わせたパラメーターの設定がしやすく
同じ1台の機器でも、皮膚および毛の状況に合わせた幅の広い照射が可能なため
メインとして用いている、というのも大きな理由の一つです。
細かな設定をうまく行う、というそれ以前にそもそもダイオードレーザーは汎用性が高く、いろいろな肌の人に使用しやすいことは、デュエットというレーザー機が出る前の、ライトシェアの時代から強く感じていたことでした。
もともと日本で最も早い時期から流通したのはアレキサンドライトレーザーで、僕もはじめて触れ合った脱毛用のレーザー機はアレキサンドライトでした。
その後ライトシェアが発売され、ダイオードレーザーに初めて触れることになるわけですが使いやすいなあ、というのが最初の印象でした。
正直ライトシェアの時点で(当時としては)口径も大きく、この1台があればほとんどの人には合わせられるという感じだったのです。
その後10年ほど時は流れてデュエットが登場し、新たな大口径のハンドピースも同時に登場したわけです。
スポット口径が大きくなるほどに深部にもレーザーが届きやすくなる特性があるので、スピードのみならず、より効率のよい脱毛が可能になり、ライトシェアの良さは残しつつ進化した機器だったのです。
ただ、このライトシェアデュエット、導入したばかりの時には、設定をどう考えていくのかという部分がなかなか難しいものがありました。
スポットの大きさによってエネルギー(J/㎠)の数値はかなり変わります。
ライトシェアとの違い、という部分でまずそういった部分をいろいろと考えながら進むこととなりました。パルス幅の設定や照射モードについても、どういった状況で用いるのか、というのはあまり提示されるわけでもなく、はじめは戸惑う部分が多かったのですが、いくつかの論文にあたってみて、そこから理論的に考え導き出されるものを使用して行う、というように進化・深化させていきました。
そういった論文の中に、ダイオードレーザーで黒人への照射をどのように行っていくか、というものがあり、実践部分としては正直そのまま使える内容というわけではなかったのですが(非常に副作用が多かったが対処していけばOK的なちょっと激しいものでした)
肌の状況とパラメーターセッティングの関連という点では参考になった、などというものもありました。
そんなステップをたどり、様々な状況での設定の使い分け、という点でライトシェア・デュエットは我々にとって極度に有能なパートナーという位置になったわけです。
僕はYAGレーザーも好きで、使ったりすることも多いですが
ほとんどの場合はひげ脱毛に使う、といった感じで、女性に対して用いる場合はかなり特殊なケースに限られているといったところです。
男性のひげ脱毛であってもダイオードを用いることの方が数的には圧倒的に多いですし。
(自分で自分を打つときにはYAGの方が光らないのでやりやすいためYAGにしてしまうことが多いですが。これはかなり特殊なケースですね。)
「効果を出すことが出来る」というのは医療脱毛を求める人々にとってものすごく重要なファクターと言えます。
エステでの脱毛や、エビデンスの無い機器による脱毛ではなかなかたどり着けないものであるため、我々は確実性の高いレーザー、なかでもメインには細かな取扱いに慣れていて、そもそも汎用性の高いライトシェアデュエットを用い、皆様の求める「効果」を追い求めていこう、と考えています。
つい先日ですが「脱毛でのトラブル」が大きくニュースとして取り上げられていました。
国民生活センターへのエステ及びクリニックでのやけどによる被害報告が増加している、といったものです。
問題視する気持ちも当然で、僕としてもわかりますが
ただ、当事者のこちら側としては、エネルギーの上下だけで簡単にやけどのような副作用がおこるわけでもなく
適応の判断、機器のメンテナンスやパラメータ設定などの適切な使用、更には患者様への生活指導etc・・といった取り組みをきちんと行うことで、ほとんどを抑えることができる、と言えるのです。
真剣に医療脱毛に向き合う、というのはこういった部分をしっかりとした考え方のもとで行うことだ、と僕は常々思っています。
レーザーの種類も重要には重要ですが、それ以上に使い方なのだ、とも言えるわけです。