「脱毛はクリニックやサロンではなく自己処理で行っている」という人は少なくないのではないでしょうか。これといってダメージも感じていないし、お金もかかるから自己処理で十分!と感じている方もいるでしょう。しかし自己処理での脱毛は、毛が抜けにくくなる可能性もあるのです。ここでは、脱毛の仕組みと自己処理のリスクについてご紹介します。
脱毛の仕組み
光脱毛でもレーザー脱毛でも使うエネルギーは、メラニン色素に反応して脱毛を行います。毛の黒い色はメラニン色素になりますので、肌の表面からレーザーを当てるとそのエネルギーが毛の黒い部分に吸収されて毛が熱をため込みます。その熱が周囲に広がり、毛そのものと毛乳頭を破壊します。毛乳頭は毛を作り出す役割のある毛母細胞に栄養を送っているので、毛乳頭が破壊されることで毛が作られなくなるのです。毛の成長にもサイクルがあり、すべての毛のサイクルが同じというわけではないので、脱毛はヘアサイクルに合わせて何回か行い、徐々に毛が少なくなっていくようにする脱毛方法です。エステで行う場合と医療機関で行う場合とでは、扱う脱毛の機械が違い、パワーが異なりますので、通う回数や効果が異なってきます。医療機関で行う脱毛は、毛が生えてこなくなるということが期待できますが、サロンの場合は毛が細くなるなどの効果が期待できます。人によって効果には差が生まれますから、無料カウンセリングなどで確認をするようにしましょう。
自分で毛を抜くと脱毛効果が薄れる理由と自己処理のリスク
脱毛を行っている最中は、自分で毛を抜いてしまうとヘアサイクルがおかしくなってしまいます。ヘアサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」の3つに分かれており、脱毛を行うのに最も適しているのは「成長期」です。成長期の毛はメラニン色素をしっかりと含み毛乳頭ともきちんとつながっているので、脱毛を受けたときに効果が現れやすくなります。しかし毛を抜いてしまうことで成長期に照射ができなくなってしまい、効果が薄れてしまうのです。また、自分で脱毛処理として毛を抜いてしまうと、毛穴から雑菌が入ってしまって炎症を起こし肌がかゆくなったり、埋没毛ができてしまったりしやすくなるデメリットもあります。脱毛の自己処理で肌にダメージを与えてしまうと色素沈着を起こしてしまう可能性もありますので、リスクが高いといえるでしょう。
自己処理をするなら絶対に毛を抜かないこと!
エステでの脱毛や医療機関で脱毛を行う前にも必ず注意される事柄ではありますが、脱毛を今後受けてみたいと考えている方や、受けている最中の方は、ヘアサイクルを狂わせないように、毛を抜くことはやめて絶対に剃るようにしましょう。せっかく脱毛をするのなら最大限効果が現れた方がいいでしょうからそれだけは気をつけましょう。脱毛の仕組みでご紹介したとおり、毛を抜いてしまうと脱毛の効果がなくなってしまいます。
また、カミソリでの自己処理を行う場合にも、いくつかのおすすめのポイントがあります。1つめは、シェービングジェルを使用していただくことです。もしできれば、自己処理の前に蒸しタオルで肌をやわらかくすることもおすすめです。2つめは、日頃から保湿を徹底することです。感想している肌よりも水分をたっぷり含んだ肌に照射をした方が、脱毛効果が高くなります。3つめは、電気ジェーバーの使用です。普通のカミソリよりも肌への負担が少ないです。
ムダ毛のないスベスベの肌を目指して良かれと思っていても思わぬ逆効果を招くこともあります。脱毛を考えている人も、すでにしている人も、正しい知識を十分にもって、より高い満足感を得られるように自己処理を頑張ってみてください。
ドクター松井クリニック院長
松井彰一郎まついしょういちろう
2000年 | 山梨医科大学医学部卒業 国立国際医療センター形成外科勤務 |
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2003年 | ユーロクリニーク入局 |
2006年 | 湘南美容外科クリニック大宮院(さいたま)院長就任 |
2011年 | ドクター松井クリニック院長就任 |