脱毛後のアレルギーによる症状について

脱毛後のアレルギーによる症状とは?

通常の脱毛後毛嚢炎はにきびの出やすいところに見られるもので、手足等にはあまり見られない副作用です。

ただ、非常にまれなのですが、手にも足にも、もっといろいろなところにもボツボツと出てしまう、かなり激しく多く皮疹がでてしまうケースもあります。

非常に数も多く、かゆみも強く一面真っ赤になるような強い症状。これはほとんどの人には起きないのですが、「アレルギー」のケースです。

どうして起こるの?

レーザー照射で毛が壊れたことで、壊れる部分(毛包)からの抗原に反応しているのではないか、と考えられています。

少し時間が経ってから赤みが強くなったり、皮疹が増えたりという特徴があり、24時間〜48時間あたりがアレルギー反応のピークとなります。

脱毛レーザーを照射後、時間が経ってから現れます。半日後くらいから出る人が多い印象です。参考論文では6〜72時間後に出現、と書かれています。

ただ、炎症が強く残り、毛嚢炎様の症状が出ると、かゆみも強く、かき壊してしまうこともあり、通常の蕁麻疹と比べ、赤みや色素沈着がしばらく続くケースも多々あります。

どんな症状なの?

参考論文によると、しつこく強くかゆい皮疹、丘疹、融合する紅斑という症状が6時間から72時間後に出現した、と記述されています。

出る場所としては、ほとんどの人は足に出て下半身に多く、鼠径部等にも出る人もいました。上半身は少ないです。

当院でも、すね(下腿)中心に症状が出る人が全員でした。上半身に強く出る人は少ないですが、少数認めています。

参考論文では13,284人中36人にこのタイプの症状が出た、と記されています。このように割合としてはごく少数ではありますが、当院でもある程度の人数は見てきています。十数人ほどです。実はスタッフでも一人いたのです。

すぐ治る部分もあれば3〜4週ほどかかって落ち着く部分もあるのでなかなか大変な症状です。

どんな人がなるの?

当院のケースでは、ほぼ全員、アトピー性皮膚炎のある方です。

ただ、アトピーをお持ちの方はかなりの人数当院でも医療脱毛を受けていて、その中のごくごく一部です。

アトピーの症状が重い、軽いには関係なく、わずかなパーセンテージの人たちだけにこの脱毛後のアレルギーによる症状が出ています。

アトピーの人みんなに起こる、という症状ではないのでご安心ください。

なぜ遅れて出てくるの?

アレルギーにはタイプがあって、すぐに症状が現れるタイプもあるのですが、このレーザー脱毛後のアレルギーの場合は「遅延型アレルギー」と呼ばれるものです。(Ⅳ型アレルギーとも書かれます)

レーザー照射により毛包が壊れて抗原が体内に出ると、抗原提示細胞(マクロファージ、樹状細胞)に貪食・分解されたのち、T細胞に提示され、感作されることによって抗原刺激でサイトカインが産生され炎症反応が起こってきます。抗原侵入後、この炎症反応は48時間後くらいがピークとなります。

このアレルギーはこのステップに時間がかかるタイプなのです。

アレルギーなので1回目から起きない人もいます。2回目のレーザー照射で起きる方もいるのです。

前に脱毛をしていなくても、何らかのかたちで抗原に出会っている方の場合は、初回の脱毛後に起こります。

いずれにせよ一度起きたならば、毎回レーザー脱毛後にはこのアレルギー症状が起こるわけです。

症状への対処法

治療は炎症に対するステロイド塗布が中心となります。

かゆみが強い場合は冷やして炎症を抑えるのもよいでしょう。

なにしろいじらないに越したことはない、のですが、そこがなかなか大変なわけです。

アレルギーだと毎回症状が出るのでは…防げないの?

このアレルギーを持っている人の場合、基本毎回同じような症状が出てしまうことになります。絶対に体の中で反応が起きてしまうからです。

じゃあ脱毛できないのか? あきらめるしかないのか?となるわけですが…

レーザー照射の際の皮疹、かゆみを圧倒的に減らす方法もあります。

参考論文ではレーザー照射前のステロイドの内服によって症状を抑えて脱毛を継続させた、と記載されています。うまく内服薬を使えば、驚くほどに皮疹は出にくくなります。

当院では事前に抗アレルギー薬を飲んで来院していただき、その後2日ほどは飲み続けてもらっていて、劇的に症状を出にくくし、レーザー脱毛をうまく続けることを可能にしています。

この方法でうまく脱毛コースを修了させた患者様が大半です。中にはやはり怖くなって1回(もしくは2回目)で辞めてしまう人もいらっしゃいましたが、内服を併用することで結果はしっかりとみられているので非常に有効と言えます。

脱毛を諦めてしまった方へ

過去に脱毛でこのような症状が出てしまい、脱毛自体をあきらめてしまった、という方もいらっしゃると思います。

当院ではこれまで多くの症例を見てきた経験を活かし、予防的な視点から計画的に脱毛を進めることが可能です。

「また脱毛にチャレンジしてみたい」とお考えの方や、過去に似たご経験をされた方も、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。お一人おひとりに合わせて、わかりやすくご説明いたします。

参考文献

Urticaria induced by laser epilation: a clinical and histopathological study with extended follow-up in 36 patients. (Lasers Surg Med. 2012 Jul;44(5):384-9)