ケロイド体質でも脱毛はできる?医師が解説する安全な脱毛法と注意点

「ケロイド体質だけど、脱毛できるのかな…」 「以前、脱毛サロンでケロイド体質だからと断られてしまった…」

このようなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?

実は、ご自身でケロイド体質だと思われている方の中には、本当はケロイド体質ではない方も多く、当院へ通われている方で、ケロイド体質であった方は10%ほどです。

この記事では、ケロイド体質の方の脱毛について詳しく解説します。ケロイド体質の方が、なぜ脱毛を断られることがあるのか、そして安全に脱毛を受ける方法について医師の視点からお伝えします。

ケロイド体質と脱毛について

ケロイド体質とは、傷やけがの後に通常より強い瘢痕(傷跡)反応を示す体質のことです。このような体質の方は、医療脱毛において注意が必要と言われています。なぜなら、レーザー照射による微細な熱傷が、通常の方よりも強く反応してケロイドを形成する可能性があるためです。

ケロイドは傷が治った後も赤く盛り上がり、時に外傷部位を超えて広がることもある症状です。「真性ケロイド」は外傷部位を超えて拡大し、「肥厚性瘢痕」は外傷部位内にとどまるという違いがありますが、見た目だけでは区別が難しく専門的な診断が必要です。

ケロイド体質の方が脱毛を断られる理由

多くのエステサロンやクリニックでは、施術後のトラブルを未然に防ぐため、少しでもリスクがある方の施術をお断りするケースがあります。特に近年は「早い・安い・期間が短い」という効率重視の脱毛サービスが増加しており、一人ひとりの体質や肌状態に合わせた個別対応が難しい環境になっています。

そのため、シミや火傷などのトラブルを極力回避するという方針から、マニュアルに沿った対応を徹底し、少しでも例外的な状況は避ける傾向があります。実際には適切な対応と調整によって安全に施術できる可能性がある方でも、万一のリスクを考慮して施術をお断りしているというのが実情です。

ケロイド体質の方が避けるべき脱毛方法

ケロイド体質の方がセルフケアで脱毛を行う場合、特に注意が必要です。以下の方法は避けた方が良いでしょう。

カミソリでの自己処理

カミソリは肌表面を擦るため、小さな傷ができやすく、ケロイド体質の方では、わずかな刺激がきっかけとなって瘢痕反応が起こる可能性があります。特に適切なケアができていないとケロイドができる可能性が高くなります。

脱毛クリーム

脱毛クリームに含まれるタンパク質を溶かす成分によって毛を溶かす一方で、皮膚にもたんぱく質が含まれているため、肌にダメージを与えることがあります。ケロイド体質の方はその刺激に反応し、肌トラブルからケロイドの形成につながるケースがあります。また、肌荒れや湿疹などの二次的な問題も生じやすくなります。

家庭用脱毛器

家庭用脱毛器は医療脱毛機器よりも、出力を抑えられていますが、ケロイド体質の方にとっては、出力が低い刺激でも肌の過剰反応を引き起こす可能性があり、火傷や炎症からケロイドの形成につながるリスクが高まります。

ケロイド体質の方でも脱毛が可能

医療脱毛では、ケロイド体質の方に対して施術を断るクリニックもありますが、実際には自分でケロイド体質だと思っていても違うケースが多くあります。ドクター松井クリニックでも、「ケロイド体質」と自己申告された方の多くが、実際にはケロイド体質ではなかったか、または症状が軽度で部分的に脱毛が可能だったという結果になっています。

ケロイド体質の方でも、症状の程度や部位によっては安全に医療脱毛を受けられる可能性があります。自己判断だけで脱毛を諦めるのは非常にもったいないことです。肌に関する不安がある方は、まずは専門医の診察を受けることをおすすめします。

ドクター松井クリニックでのケロイド体質の方への対応

ドクター松井クリニックでは、10,000件以上の施術経験をいかして、ケロイド体質、アトピー、ニキビなど肌トラブルを抱えた方にも安心して医療脱毛を受けていただけるよう努めております。

その中でも特に、ご自身がケロイド体質と思って脱毛できないと考えていた方にも、当院の医療脱毛で満足いただいた実績が多数あります。

ケロイド体質の方の脱毛においては、一般的に「施術不可」「ケロイド部位を避けての施術」「ケロイド部位への施術」の3つの選択肢があります。ドクター松井クリニックが導入している熱破壊式のライトシェアデュエットは、小さなショット口も備え、波長や出力の細かな調整が可能なため、ケロイド周囲の近くまで細かく施術したり、ケロイド部位へも適切な出力で安全に施術したりすることができます。

ケロイドの症状が軽度な場合は症状部位を避けることでほぼ通常通りの効果が期待でき、重度の場合でも照射範囲や出力の調整により安全に脱毛を進められます。多くの方は3~4回で効果を実感され始めますが、ケロイドの状態や毛の濃さによって個人差がありますので、相談しながら最適な施術計画を立てていきます。

また、医療脱毛を担当する看護師は、院長による徹底した教育・研修を受けており、ケロイド体質の方への施術経験も豊富です。

痛みについては、ライトシェアデュエットに搭載されている冷却システムにより大幅に軽減されており、VIO以外の部位は多くの方が麻酔なしで施術を受けられています。不安な方にはテストショットを行い、必要に応じて塗る麻酔もご用意しています。万が一の肌トラブル発生時にも、すぐに診察を行い必要な薬を無料で処方します。

ドクター松井クリニックが導入しているライトシェアデュエットについては以下のページで説明しています。

関連ページ:効果を追求したライトシェアデュエットによる医療脱毛

ケロイド体質の方が医療脱毛を受ける際のリスク

施術の刺激によるケロイド形成

ケケロイド体質の方が、脱毛を受ける場合、レーザー照射による熱刺激や軽度の炎症反応が新たなケロイド形成につながる可能性があります。脱毛のレーザー照射は皮膚にとって刺激であり、この刺激によって新たなケロイドが形成されるリスクがあります。

ただし、反応は個人差が大きく、わずかな刺激でもケロイドができやすい方もいれば、軽度の刺激程度では問題ない方もいます。

施術効果と安全性のバランスが重要で、出力を下げすぎると脱毛効果が弱まり、強すぎるとケロイド形成のリスクが高まります。そのため出力の調整が必要で、調整をするには高度な技術と経験が必要です。

ドクター松井クリニックでは、ライトシュアデュエットの出力調整やその見極めの長年の技術があり、ケロイドの形成トラブルはほとんどありません。

脱毛の施術部位の色素沈着

ケロイド体質の特性として、肌へのダメージに対してメラニン色素が過剰に生成されやすい傾向があります。施術後に皮膚が過敏に反応すると、メラニン色素が活発化し、施術部位に「アザのような」色素沈着を起こす可能性があります。

ケロイド体質の方が医療脱毛を受ける際の注意点

事前の申告と相談

脱毛を受ける前に、ケロイド体質であることを必ず申告しましょう。医師に正確な情報を伝えることで、適切な判断と施術方法の提案ができます。

「自分はケロイド体質だから脱毛できないだろう」と諦めるのではなく、まずはご相談ください。

施術範囲の確認

ケロイドがある部分は基本的に照射を避けますが、ケロイドの周りに気になる毛がある場合は、医師と相談しながら照射範囲を決めていきます。リスクが高いと判断された部位は、施術をお断りする場合もありますので、ご了承ください。

アフターケア

医師からの指示に従い、保湿を中心とした優しいスキンケアを心がけてください。刺激の強い製品や過度な摩擦は避け、少しでも気になる変化があればに医療機関に相談しましょう。

ケロイド体質へのアプローチをしながら医療脱毛をすることができる

ドクター松井クリニックでは医療脱毛だけでなく、美容皮膚科としての診察・治療も行っております。脱毛や皮膚構造の知識はもちろん、ケロイドをはじめとする皮膚状態にも多くの症例経験があります。

また、施術方法や施術計画の説明、ケロイド体質の方がレーザー脱毛をおこなうことの注意点、それをカバーする当院の技術力など、包み隠さず誠実にお話しています。

お客様との対話を大切にし、肌の状態を患者様と医師が正しく把握したうえで、一緒に治療計画を組み立て実行していくことで、リスクを最小にした医療脱毛を実現することを目指しています。

もし他院でケロイド体質のため断られたご経験があおりだとしても、医療脱毛をご希望の方は、まずは気軽にご相談ください。