
ドクター松井クリニックが採用しているライトシェアデュエットはダイオードレーザーを用いる熱破壊式脱毛機です。しばしば「ダイオード=蓄熱式」と誤解されますが、ダイオードはレーザーの“光源方式”を示す語であり、熱破壊式か蓄熱式かという“照射方法”とは別概念です。
実際、ライトシェアシリーズは一貫して熱破壊式で、毛の成長組織に瞬時に熱エネルギーを集中させる設計により、安定した減毛効果を目指します。
蓄熱式の一部にもダイオードレーザーを搭載する機器があるため混同が生じますが、レーザーの種類と照射方式は切り分けて理解することが重要です。
ライトシェアデュエットの基本仕様
| ライトシェアデュエット | |
|---|---|
| 一般的名称 | ダイオードレーザシステム |
| 販売名 | LightSheerDuetダイオードレーザシステム |
| 販売元 | ルミナス社(Lumenis)/ルミナス・ビー・ジャパン株式会社 |
| 日本薬事承認 | あり |
| FDA承認 | あり |
| 照射方法 | 熱破壊式 |
| 搭載ハンドピース | HSハンドピース、ETハンドピース |
| 波長 | 805nm |
| スポットサイズ | ETハンドピース:9x9mm HSハンドピース:22x35mm |
| 最大Hz | 3Hz |
| 照射パワー | ETハンドピース:10~100J/cm² HSハンドピース:4.5~12J/cm² |
| パルス幅 | ETハンドピース:5~400ms HSハンドピース:30~400ms |
| 疼痛緩和 | ETハンドピース:ChillTipコンタクトクーリング(5℃) HSハンドピース:吸引アシスト |
開発メーカー
ライトシェアシリーズは1997年に登場したダイオードレーザー脱毛機で、医療機器としてFDA承認を取得しています。2009年に吸引アシストと広範囲照射に対応する「ライトシェアデュエット」が加わり、現在は日本国内でも薬事承認済みです。世界各国の医療機関で導入が進んでいます。
波長と吸引・冷却方法
波長805nmのダイオードレーザーはメラニンに吸収されやすい特性があり、適切な設定のもとで毛の成長組織を狙いやすいのが特徴です。
疼痛や熱傷リスクを抑えるために、ETハンドピースは約5℃で表皮を直接冷やすChillTipコンタクトクーリングを、HSハンドピースは皮膚を軽く吸引して到達距離を短縮する吸引アシストを採用しています。これらを組み合わせ、部位や毛質・肌状態に応じて出力やパルス幅とともに最適化します。
ハンドピース構成と使い分け
ライトシェアデュエットは、広範囲の施術に適したHSハンドピース(22×35mm)と、細部の精緻な照射に適したETハンドピース(9×9mm)の2種類のハンドピースを搭載しています。ETハンドピースは接触照射が可能で、皮膚に密着させて狙いを定めやすい設計です。
大口径のHSハンドピースは広範囲の照射、ETハンドピースは接触照射により、鼻下、指、I・Oラインや眉周りなどの細かな部位の対応に適しています。アートメイクや傷口など避けたい色素部位を最小限の余白で回避しつつ、必要な照射範囲を確保できます。
ライトシェアデュエットとジェントルプロマックスの違い
| ライトシェアデュエット | ジェントルマックスプロ | |
|---|---|---|
| 一般的名称 | ダイオードレーザシステム | ネミジミウム・ヤグレーザー |
| 販売名 | LightSheerDuet ダイオードレーザシステム | 長期減毛・色素性疾患用レーザー装置 GentleMax Pro |
| 販売元 | ルミナス社(Lumenis)/ ルミナス・ビー・ジャパン株式会社 | シネロン・キャンデラ社 |
| 日本薬事承認 | あり | あり |
| FDA承認 | あり | あり |
| 照射方法 | 熱破壊式 | 熱破壊式 |
| 搭載ハンドピース | HSハンドピース、 ETハンドピース | アレキサンドライトレーザー、 Nd:YAGレーザー |
| 波長 | 805nm | 755±5nm、1064±3nm |
| スポットサイズ | ETハンドピース:9x9mm HSハンドピース:22x35mm | 6-24mm (20~24mmはオプション品) |
| 最大Hz | 3Hz | 最大10Hz |
| 照射パワー | ETハンドピース:10~100J/cm² HSハンドピース:4.5~12J/cm² | アレキサンドライトレーザー: 最大150J/cm² Nd:YAGレーザー: 最大200J/cm² |
| パルス幅 | ETハンドピース:5~400ms HSハンドピース:30~400ms | 0.25~100ms |
| 疼痛緩和 | ETハンドピース: ChillTipコンタクトクーリング(5℃) HSハンドピース:吸引アシスト | ダイナミック クーリング デバイス(DCD) |
ライトシェアデュエットとジェントルマックスプロは両機とも熱破壊式ですが、「光の選び方」と「肌へのあて方」の設計が異なります。
ライトシェアデュエットは単一のダイオードレーザーを採用し、四角い2種類のヘッドを使い分けます。ETは先端で皮膚を直接冷やしながら細かな部位まで狙いやすく、HSは皮膚をやさしく吸引して照射距離を縮めることで、必要なエネルギーを抑えつつ広い面を安定して当てやすいのが特徴です。
ジェントルマックスプロはアレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの二波長を切り替えられ、状況に応じて光そのものを選べます。とくにYAGを選べるため、根深く頑固な毛にも照射設計を組みやすいのが強みです。
吸引機能はライトシェアデュエットにのみ搭載され、ジェントルマックスプロにはありません。つまり、皮膚を吸引して効率よく照射できるのはライトシェアデュエットです。
さらに、照射面に接触させて当てる「接触照射」もライトシェアデュエットに備わり(サファイア接触冷却〈ChillTip〉などの先端冷却を使用)、ジェントルマックスプロにはありません。接触照射では先端で表皮を直接冷やしながら照射できるため、熱による表皮ダメージのリスクを抑えつつ、必要に応じて高めの出力設計も検討しやすくなります。
ライトシェアデュエットのメリット
ライトシェアデュエットは、2種類のハンドピースを使い分ける設計と、接触照射・吸引機能により、硬毛から顔の産毛まで幅広い毛質・肌状態に対応しやすいメリットがあります。
特に、小型のETハンドピースは接触照射に対応していることで、凹凸や細かな部位にも正確に照射できます。これにより、顔やVIOなど精密さが求められる部位でも安定した照射が可能です。
ライトシェアデュエットのデメリット
ライトシェアデュエットは熱破壊式のダイオードレーザーで、毛根にしっかり熱を届ける設計のため、一度の変化を実感しやすい一方、照射中に熱さを感じやすい方もいます。
ただ、その分、吸引で皮膚を引き上げながら照射する仕組みで、かなり軽減できるようになっています。冷却ジェルも不要なので、施術後のベタつきが残りません。
毛が非常に細い部位(眉まわりや鼻下など)では、反応が緩やかな場合があり、その際は照射設定を調整し、必要に応じて回数を重ねて仕上げます。
眉まわりや鼻下などの毛が非常に細い部位では、反応が緩やかなことがあり、その場合は設定を調整し、必要に応じて回数を重ねて仕上げます。
つまり、「出力が高いからこそ安全管理を丁寧に行う」タイプの機器で、効果重視でできるだけ少ない回数を目指したい方に適しています。
仕上がりを左右するポイント
仕上がりは、機器スペックだけでなく、出力・パルス幅・照射間隔・重ね方・冷却の最適化と、肌状態・毛質・既往の評価に大きく左右されます。
ドクター松井クリニックでは、一律のマニュアルではなく、テスト照射を行いながら個別に設定を最適化し、安全域に配慮して出力を調整していきます。十分な時間枠を確保し、丁寧に調整することで、安全性を担保しつつ出力をを最大限に活かす施術が可能です。
ドクター松井クリニックの方針
ドクター松井クリニックは効果重視の方針で熱破壊式脱毛器「ライトシェアデュエット」を長年運用してきました。 毛質・部位・肌質に応じてオーダーメイドで、ひとりひとりに適した出力・照射間隔・回数設定で進めます。施術枠には十分な時間的余裕を確保し、コミュニケーションを取りながら施術計画をご提案します。
出力を個々の状態に合わせて調整するため、敏感肌や産毛にも柔軟に対応可能です。